中3受験生はそろそろ志望校が固まってきている段階です。簡単な事前調査票を元にした三者面談も始まっており、「自分はどこを第一志望として目指し、どのように合格を目指すのか。また、不合格のリスクをどのように和らげるのか」までを明確にした上で、これからの半年間を安心したスケジューリングで過ごしてもらいたいと思っています。
ここで、よく保護者の方に質問をいただく「受験まで、どのような計画で対策が進んでいくのか?」に関して、大枠の答えをここに共有します。これを共有して知っていただくことで、
- 受験生としての自覚、リアリティを持つ
- 自習で行う受験対策を明確にする
- 安心した心理状況で、思い切った受験勉強を行う
- 安心した心理状況で、家庭においてサポートができる(保護者の方)
上記を実現した一回きりの素晴らしい高校受験を過ごしてもらいたいと思います。
どんな志望校を目指すのであれ、合格率を最大限に高めるために、絶対に守らなければならない約束があります。
上記の基礎哲学は、
- 堀川探究
- 嵯峨野こすもす
- 西京エンタープライジング
- 桃山自然科学
- 山城文理総合
- 紫野アカデミア
などなど、難関であると言われる高校を目指す場合でも何も変わりません。この理由は改めてご説明したいところですが、焦ってしまって簡単に応用問題に手を出すと合格率が明確にワンランク下がってしまうということで、これは何年も問題視しているテーマです。やはり、無理をして現状の自分より背伸びをしても受験においてはマイナスにしかならない。
「応用問題がスラスラと簡単に解ける状況」であれば問題ありませんが、なかなかそんなケースは多くありません。
塾の指導としてもこの決まりを徹底する流れを作りますし、自分でプラスアルファの勉強をする場合においても、塾生全員の意識を浸透させておきたいところです。
受験テキストは、育新社の『シリウス まとめと完成』とすることにしました。3学年の全範囲が揃っており、5教科セットで受験対策を行うことができます。
写真でもすぐに分かりますが、「中学3年間の範囲がカバーされている受験基礎テキストである」と考えると、想像よりも薄いテキストになっています。悪く言えば、「受験」というものに対する権威とパワーを感じません。
この点は受験に対して非常にプラスです。中身は確認していますが、薄いということは「基礎範囲しか掲載されていない」ということです。これは夏休み以降に勉強に取りくむ受験生において大きなアドバンテージを与えてくれます。
全教科において言えることですが、超難関だとされる高校でさえ、基本事項つまり原理原則が理解できた生徒であれば、後は慣れの問題で合格点を取ることができます。どのみち、秋暮れや冬の段階で志望校の過去問や、それに類するレベルの問題をたくさん解くことになります。夏の最初にこの基礎事項の穴埋めを充実させることで、その時の演習の効果が高まります。
その時のために、どんなに高い志望校を志した人でも、グッと我慢して基本に忠実な受験シーズンを送りましょう。合格者は毎年そうしています。
もう一点、塾として使いやすいところは、演習問題が実際の公立高校過去問ベースになっていることです。
演習ページの問題は全て、全国どこかしらの地域の過去問が掲載されています。つまり、基礎ページでおさらいをした後にすぐに実戦に移ることができます。夏の時点で実際の過去問と戦うことは自信にもつながりますし、合否を考える上においても、早くから過去問演習を挟めることは大きなプラスにつながります。
「基礎レベルにこだわって潰せ」と方針を出しましたが、この問題群がスムーズに解けるかどうかにより「この単元の基礎レベルが潰せたのかどうか?」を判断すれば十分です。この素地があって初めて、数ヶ月後の難関レベルの過去問演習の理解力が高まります。
具体的な計画としては、大枠は上記スケジューリングを守ってもらえるように塾生にプレッシャーをかけていく予定です。
個人の状況により柔軟に決めていかなければなりませんが、大枠はこれを死守することを意識して受験シーズンを過ごさなければなりません。
このスケジューリングは、下記の高校群を第一志望とする塾生が該当します。
- 公立高校の普通科
- 大谷、花園、先端など、学力順に複数コースを持つ私立高校
これらの塾生は、11月末日までに基礎テキストの大枠を終了しておくことが目標です。つまり5教科すべて、中1から全ての範囲の基礎をおさらいし、演習ページの公立過去問まで解けているような状況です。
そして、遅くとも年内には公立高校の過去問を5年分きっちり演習を済ませておかなければなりません。年内に過去問が終了していると、不足部分があっても残りの2〜3ヶ月で必ず間に合います。つまり毎年掲げているこの目標スケジュールは、なかなか基礎でも苦戦した部分があったとしても、最後の最後で十分に取り戻せることを狙って計画されています。
年明けからは、併願私立の過去問に取り組む時間が加わります。私立が第一志望であったとしても、年明け以降の2ヶ月半で充実した過去問演習の時間を取ることができます。
やることは同じです。ただ、そのスピードと密度が異なるだけ。全教科とはいかないまでも、3ヶ月近くあれば『シリウス まとめと完成』の大枠は完成させることができます。
その際のプラスアルファとして京都府の過去問にも取り組めますから、11月終わりには「ある教科では、もう京都府過去問の10年分くらい解けている状況」が作れていることもあります。
難関高に合格したいなら、難しい問題に時間をかけるのではなく、基礎テキストの完成度をスピーディに高めることに集中してほしい。
さて、いよいよ受験生らしい時間が始まりましたね。
基礎テキストとして採用した【シリウス まとめと完成】を進めていき、受験まで進捗チェックを受けてください。
そして大きな注意点としては、あなたはこれから受験対策と定期テスト対策の両方を抜かりなく行わなければならない、ということです。これは受験生にしかない、大きなプレッシャーとなります。ただ、その分乗り越えた時の成長は大きいです。
- 学校の授業はしっかり聞けているのか?
- その日の授業の復習は、のちに溜めずにすぐに行えているのか?
こういった内容をいつもより強く意識して行えれば、同じ結果を出しつつ、受験勉強に対しても大きな時間を割けるでしょう。
大丈夫。塾と一緒にやり切りましょう!