【京都の高校入試】模試でA判定の生徒が不合格になるのはなぜか、それを防ぐ方法は何か

模擬試験ラッシュが続いており、普通の高校受験生はだいたい一ヶ月に一回の模擬試験が待ち構えているのではないでしょうか。塾においても一回一回の模擬試験は力を入れて取り組んでもらっていますし、一回一回の模擬試験の復習もしっかり行います。


毎月に合格判定が出るため、それを目標にして勉強に打ち込むわけであり、たとえその志望校判定がEであっても諦めずに取り組む精神力も求められる時期に突入しています。

模擬試験がE判定であっても「いや、この塾生なら合格できる」と判断できる理由

ただ、塾の運営者側としては逆の話も気をつけたいところです。

安定して志望校がA判定であったとしても、不合格になる生徒は京都市で毎年何人も何人もいるはずです

E判定から合格のイスを奪い取る生徒がいるのであれば、A判定から奪われる生徒もいるということです。


高倉塾はどちらかといえばE判定を引っ張り上げるシーンの方が多いですが、最難関でも安定してA判定を取る塾生もいます。したがって、A判定の塾生を絶対に落とさないための入念なケアも考えなければなりません。


しかしなぜ、A判定でも不合格になってしまうのでしょうか。

A判定不合格の最大の理由、それは過去問演習不足である

「とても優秀で頭脳明晰であり、模試の判定もずっとAである。しかし、まだ不合格になるかもしれない」


そう最も強く感じる瞬間は、志望校の過去問を骨の髄までやりきれていない場合です。


志望校ごとに、明らかに入試問題の傾向があります。

  • 公立普通科の問題だったらほぼ満点が取れるのに、偏差値が似通った私立高校の問題では全然わからない問題もけっこうあった
  • 苦手な図形の問題割合が明らかに多くて、かなり手こずってしまった
  • 志望校は英語長文だけ難易度が高い。もっとここに時間を割くべきだった

出題の傾向にまつわる失敗談や後悔を並べるとキリがありません。たくさんの高校の問題を解いている塾の運営者や講師は知っていますが、受験者本人はほんの数校の過去問しか見ないので、その大きな違いに気づくことはありません。


それほど、志望校の合格に対しては細心の注意と最新の情報が必要だということです。


模擬試験の判定とは、一般的な問題を全員に解かせた上での判定です。全員にあなたの志望校傾向の問題を解かせて判断しているのではありませんから、そこに注意が必要です。模試と志望校入試は、違うスポーツです。


極端に言えば、入学試験はラグビーで決まるのに、模擬試験では全員にサッカーをさせて判定を出しているようなものです。サッカーでA判定であればスポーツが得意であることは分かりますが、本番はラグビーで決まるし、楕円球のごとく、どう転ぶかまだまだ分かりません。


トップ校志望者に絞った模擬試験も存在しますが、探究とこすもすとエンタープライジングでは全然違います。結局は「その高校の傾向に対応できているかどうか」は模擬試験では計測できていないのです。


逆に、夏時点でE判定の塾生を合格させるのであれば、過去問対策を最後まで行わせ、ここを徹底的に突いて合格を狙います。サッカーで勝たせて、ラグビーで勝つ。模試を切らせて入試を断つ。


A判定で不合格になるのは、ここを突かれて最後に負けてしまうケースです。

志望校ごとの、思考の手法

もちろん、A判定であることは大きなアドバンテージであることは変わりありません。模擬試験で安定した得点が取れるということは、基礎的な学力に事欠かないということだからです。


ただ、そのベースである基礎から、どのような思考回路を経て解答までに到達するのか、高得点を取るためにはどんな能力が必要なのか、ここが志望校によって変わっています。

  • 計算問題は複雑だが、文章題はシンプルである(その逆)
  • 数学は基礎で戦えるが、英語長文はとても難問である

このように、1教科の内容だけでも違いがあり、教科ごとの違いもあります。志望校に応じた力にフォーカスして伸ばす必要が出てきます。

夏以降は、関係のない難問を解いている場合ではない
  • A判定だが、過去問演習というより他の難問を解きまくっていた優等生Aくん
  • E判定だが過去問演習を10年近く最後の最後まで解き、解説を受けて納得するまでやり切ったEくん

この2人で言えば、合格率は同じくらいで間違いありません。Aくんが不合格でEくんが合格しても何の不思議もありません。


高倉塾において渋い判定でも合格者を出せているのは、早くから過去問解説に入り、冬休みは個別過去問解説ができることが理由だと思います。

Aくんは、安定してA判定が取れていても、志望校の過去問を絞り切らないと最後にはEくんに負けてしまいます。それほどまでに、過去問への理解度を高めることは合格を左右します。


特に夏休みが終わった時期からは、関係のない難問を解いている場合ではありません。A判定はあくまでも、一般的な学力による判定です。


過去問に取り組んで、一つ一つの問題を納得して理解する喜びを味わうようにしてください。ただ単に「過去問をたくさんやった」だけではいけません。全てを理解して、一つ一つの問題を楽しめるくらいを目指して欲しいです。

まるまる2〜3ヶ月は志望校の過去問のことだけを考える期間が必要

志望校の対策をするために、どれくらいの時間を費やすべきでしょうか。ベストな期間は2~3ヶ月です。2~3ヶ月毎日志望校の過去問をもとに勉強に取り組むことができれば、最難関高校であっても傾向と対策としてはやるべきことを全て行うことができます。


以前に受験生の大まかなスケジュールを書いてみましたが、過去のデータから見ても、やはり志望校の問題にひたすらに浸る期間が2~3ヶ月あれば高い確率で合格できるといえます。

【2023年】夏休み以降の受験対策スケジューリング 〜合格率を最大限に高めるために〜

上記のスケジュールでは、「専門学科や難関私立などの受験生」は12月から志望校の過去問演習に入ると書いておりますし、その期間は本当にそのレベルの過去問を細部まで解説を受け続けることが大切です。


個別指導塾に通っていて個別の状況に応じた指導が受けられる状況なら、もう10月の段階において、

  • 英語長文の精読、解説
  • 数学の小問集合の問題

あたりは宿題などで課されていたり、細かな解説を受けている有意義な時期を始められる状況です。少なくともその他専門学科などの難関校を受験する塾生に対しては、現段階で公立レベルの過去問は終わりに近づいているし、すでにぼちぼち志望校の過去問解説をスタートさせています。


もちろん、どんなに難しい高校であっても、基礎として求められている学力は全て同じです。ただ、その応用方法にこそ傾向が現れているのであって、合格したい高校があるのであれば、その高校の好む応用方法を体得する努力を長期間行なっておくことが大事です。

早くやればいいってものでもない

夏休み過ぎたくらいから難関志望校の過去問に取り組んでいる人がいますが、それは早すぎてデメリットが大きいと思います。かなり強い確信を持って言えますが、その段階で難関高の過去問に取り組んでいる生徒は素晴らしく優秀ではあるものの、かといって普通科レベルの問題を解いてみると、ほぼ確実に分からない問題がたくさんあります


夏休みあたりから難関高の過去問に取り組んでいるということは、もうその時点で中3範囲の学習をほとんど終了しているということです。早く覚えたものは、早く忘れます。まだまだ復習が必要であり、難関過去問を解いている場合ではないことに気づかなければなりません。



合格率を高める秘訣は、そういう取りこぼしを全て拾っていく作業にあります。むしろそういった部分をスルーしていると、A判定を取っていたとしても、2月の段階で、前述のEくんに逆転負けを喫する確率が高くなります。

【その他専門学科】を志望する場合は、普通科の過去問をバカにせずやり切る

堀川探究とか嵯峨野こすもす、桃山自然科学などの「その他専門学科」を第一志望として受験する生徒は、不合格になればそのまま同じ高校の普通科を受験することがほとんどです。


したがって、志望校の過去問に取り組むよりもまず、普通科の過去問に嫌というほど向き合ってなければなりません。失敗を恐れず思い切って専門学科にぶつかっていくためには、「普通科の問題ならば圧倒的な自信がある」と思える状況がとても役に立つからです。


合格させたい塾の都合としても、普通科の7〜8割得点を高確率で見込めるように鍛え上げておくと安心感が違います。そういった理由もあって、どんな志望校の塾生であっても模擬試験は五ツ木・京都を採用しています。意外と難しい問題もあってやりごたえがあります。

五ツ木京都模擬テスト会模擬試験を志望校合格に結びつける

難関受験生はまずはできるだけ早い段階で公立普通科の過去問に熱心に向き合い、遅くとも11月には全て終えてください。その実力をもとにして良い合格判定を狙いつつ、なるべく早く志望校の過去問演習にとりかかることです。


「平成29年の数学の3番は難しかった」

「これは令和2年の5番の(3)の解き方を使うやつか」

「令和元年の最初の英語長文はやけに分詞構文が多かった」

「平成30年の2つ目の対話型長文、トムの意見には賛同できないよね」

とか、マニアックな話ができるくらいになれば合格は確実です。本当です。2月の受験時には、それくらいマニアックになることを目指してください。

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