中学校の進路指導を、やみくもに信じる必要はない

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中学3年生のときに行われる進路指導において、「その成績でこの高校は無理だ」と言われて肩を落とすことがあります。勇気を出して第一志望を伝えたのに、それを打ち砕かれたケースです。


ただ、実は「中学校の進路指導を、やみくもに信じるべきではない」と断言できるようなケースがたくさん存在します。中学校からの間違った進路指導により、たくさんの保護者の方や生徒が深く悩まされています。


こちらでは、中学校の三者面談にて希望を失ってしまった人に向けての心構えや考え方を記します。中学校の進路指導に対しては、どのような心構えで受け止めればよいのでしょうか?

想定する読者層

ここでは、「中学校の三者面談での進路指導で、何か違和感があるようなことや、希望を打ち砕かれるようなことを言われた生徒および保護者の方」に対する文章が書かれています。

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こういった中学校からのアドバイスは、実は誤っているケースが大半です。このブログをよく読んで気を取り直してください。


志望校を伝える三者面談にて特に問題なかった方々は、読む必要はありません。

中学校の進路指導には、どんな傾向があるのか

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中学校の三者面談にて、希望を打ち砕かれることを言われた人は、心配しないでください。その指導が正しい保証はどこにもありません。


あなたが受けた中学校の進路指導は、下記のような性質に偏ったものである可能性が高いです。

  1. 実態以上に不合格リスクが強調されている
  2. 客観的なデータに基づいていない

それぞれの具体例を示して解説します。しっかり読めば、中学校の進路指導だけを信じることの危険性が理解いただけると思います。

実態以上に不合格リスクが強調されている

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あなたの志望校が、例えば公立のA高校だったとしましょう。A高校は難しいが、それでも受験したかったとします。しかし三者面談による進路指導の場面では、「ここは厳しいです。やめておきましょう」という指導をする教師も多いです。


もちろん、本当に合格率が著しく低い高校である場合は、この指導は正しいです。しかし問題は、90%以上の合格率があっても、10%でも不合格の可能性があれば、「厳しいです。辞めておいた方がいい。」という教師がとても多いことにあります。


普通に考えれば、そもそも100%の合格率が見込める受験など存在しません。志望校を諦めるべき理由として「不合格の可能性があるから」と言われたとします。しかし、だから何なのでしょう?それは普通のことです。


つまり、「この成績では、○○高校は難しい。志望校を変えてください」と言われた場合は、「この先生は、70%の合格率があっても、100%合格する高校しか受験させたくないのかもしれない」と考えて、進路指導を疑ってみてください

学校の先生はリスクを嫌います

「教師」は公務員です。例外はありますが、その職業に就く人々の性質としては、「リスクが大きいけれど、チャレンジしよう!」という考えよりも、「果実が少なくてもよいから、なるべくリスクを小さく」と考えて生きてきた人が多い傾向にあります。

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これは良い悪いではなく、アドバイスしてくれる人の考え方のクセや傾向を知ることは大切だ、ということです。鵜呑みにしてしまうのではなく、その人の考え方の根拠をしっかり考えなければなりません。


「いいですね、このまま頑張ってください」と言ってくれる先生もたくさんいるので、その際は何も問題ありません。ただ、「志望校を考え直すように」と言われてショックを受けた生徒は、この先生は、リスクを過大評価している可能性がある」ことを思い出してください。

実際にあったケース

だいたい9教科で36、つまりオール4くらいの成績がある生徒がいました。その生徒は中学校の三者面談にて、努力すれば合格できそうなA高校を第一志望として担任に伝えました。

とある中3生徒
とある中3生徒

A高校を第一志望として頑張りたいです。

担任の先生
担任の先生

A高校はオール5に近い生徒が合格するところだから、この成績では合格できません。もっと簡単に合格できる、B高校やC高校を受験してください。

こう言われてショックを受けた本人ですが、実際のA高校の合格に関しての事実は下記のようなものでした。

  1. オール5に近い(9教科40以上)生徒が多く合格する
  2. オール4に近い生徒(9教科36程度)でも合格者はたくさん存在する

この担任の先生は、1だけに着目し、2の事実を完全に無視してドンドンと偏差値が下がる高校を提示したようで、それが生徒と保護者のショックに繋がっていました。おそらく、2の事実をあまり知らなかったのだと思われます。


この生徒は、結局は塾でたくさん説得し、A高校を受験して合格してくれています。「もし塾に通っておらず、中学校の進路指導を真に受けていたら」と思うと、とても怖い話です。


このように、合格率が100%近い志望校でなければ嫌悪感を示す先生は珍しくありません。もし自分がそうなったら、その進路指導は真面目に受け取らないほうがよいです。

客観的データに基づいていない

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上記のような実際のケースでは、塾側で「そんなことありませんよ。A高校を受験してください。」というように、もう一度説得し直す必要がありました。ショックを受けた人たちをどうやって説得し、受験のモチベーションを再燃させられるのかといえば、それは下記のような客観的なデータしかありません。

  • 今くらいの成績の人が何人受けて、何人合格したのか?(同じ成績の生徒の、過去の合格割合)

「合格は難しいらしい」といった漠然とした不安ではなく、具体的な合格率をはじき出さなければなりません。「合格は難しい」といっても、それは合格率10%なのか、30%なのか。そのイメージを根拠を添えて伝えなくてはなりませんし、それは過去の受験生の記録から推測できます

だいたいの合格率を見積もり、安全策を練る

「あなたと同じ成績で受験した生徒は10人で、合格者は3人だったから、合格率はだいたい30%と思っていいだろう」など、具体的なイメージを計算することが大切です。

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そちらの方が納得して受験することができますし、何より不合格になった場合の安全策プランも練ることができるので、安心感を持って入試対策に打ち込むことができます。そういった提案のないものは、よい進路指導ではありません。

各高校に対して、こういった具体的データを集計して管理している学校の先生はとても少ないはずです。したがって、詳しいデータや根拠を提示されず、漠然と「合格は難しいからやめた方がよい」と言われたとしても心配する必要はありません。そういった進路指導に価値や意味はないからです。


したがって、「あなたではこの高校は合格できませんよ」と言われたら、

  • 同じ成績の生徒が受験した時、具体的に合格率は何%だったのだろう?
  • 合格率を伸ばすために、どんな勉強をすればいいだろうか?

など、少しでも具体的で前向きな考えを思い浮かべて自分でリサーチしましょう。

チャレンジする高校入試を

安全策をとって、リスクのない高校を第一志望に選ぶのはお勧めしません。中学生のうちからチャレンジを避ける人間になってしまっては、今後がとても心配です。


むしろ反対に、原則として「この志望校は、あなたには難しいですよ」と言われる高校を受験するくらいが丁度よいです。その原則を守った上で、滑り止めの高校入試などを戦略的に考えることが正しい姿勢です。


特に京都府公立高校の専門学科は、迷ったら絶対に受験してください。(難関私立高校も、いくらでも滑り止めが受験できます。)

京都府高校入試の難関【専門学科】は恐れることなく受験せよ

中学校の進路指導では、

  • ほぼ確実に合格できるので、頑張りましょう
  • ここの高校はあなたには難しいですから、やめておきましょう

というように、慎重でリスクの少ない安定志向のアドバイスを受けることはできますが、反対に

  • あなたなら、もっと上の○○高校も目指すことができますよ
  • 不合格のリスクは高いけれど、あなたはデキる。この高校を目指しなさい

といった、リスキーな刺激的アドバイスを受けられることはほとんどありません。しかし最も大切なのはこちらの進路指導です。思っているより何倍も合格率は高いので、上を目指したい中学生は大いにチャレンジしてください。


もちろん、受験まで真摯に全力で受験勉強に打ち込むことが前提です。

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