「さぁ塾に通うぞ」となると結構慎重に考えますよね。将来に関わる重大事だし(何より金がかかる!)、一度入るとなかなか気軽に変更できません。信頼できる人が熱心に勧めてくれる塾があればいいのですが、そんなことは本当に稀なものです。
そこで今回は学習塾を運営しつつ様々な生徒・ご家庭を見てきた経験から、「本当に正しい塾の選び方」をまとめていこうと思います。「塾選びに失敗したくない」「本当に将来のためになる塾に通いたい」という人は熱心に読んで参考にしてください。
目次
塾は年間50万円のお買い物です。
中学生を例として、京都の一般的な相場を考えると、塾代はだいたい年間50万円くらいは覚悟しておきましょう。例えば個別指導だったら、毎月最低でも3万円で年間36~40万円。それに春期講習・夏期講習・冬期講習など加われば50万円は余裕でオーバーします。受験学年だったら受験対策でもっとお金がかかってしまいます。東京とかだったらもっと高い。
個別指導塾の授業料ってどのくらい??と思う方は、以下で高倉塾の授業料を参考にしてみてください。京都の1対2の個別指導塾では、大手塾より少し安い、という程度の設定にしています。(1対3の個別指導塾は当然、もっと安いですよ。)
授業料の参考リンク
「でも子どもの将来のためならお金は使います!」という考えは全く正しいのですが、今回に声を大にして叫ぶことは、「塾選び間違ったら全部ドブに捨てることになりますよ」ということです。お金だけだったらいいんですが、1年間間違った塾に通えば1年間の時間を無駄にします。これで志望校の選択肢は2段階くらい死ぬので、人生変わるくらい損です。だから最初のうちから慎重に考えなければなりません。
集団指導塾か個別指導塾か、それが問題だ
学習塾には大きく分けて集団指導塾と個別指導塾があります。塾選びは、まずここからスタートしなければなりません。この2つは全く違う特徴があり、間違った方に行くと確実に金と時間の無駄になるからです。
集団指導に向いている生徒
成績編
集団指導に向いている生徒は、ズバリ「成績がいい生徒」です。「成績がいい」とは、5段階評価で最低でもオール3からオール4の間、つまり平均の評定が3.5以上の生徒です。
つまり「勉強くらい余裕だよ」というイメージをもった生徒ならば集中力も続くし、集団授業でガンガン進んでもらったほうが効率よく知識を吸収できます。時間を無駄にせず理解力を高められる。なおかつ負けん気もあれば最高です。難関高校や難関大学合格を目指すのなら、絶対に集団指導に行きましょう。京都で言うと堀川や嵯峨野の特別科、もしくは洛南などハイレベルな難関校合格は、個別指導塾だけではかなり難しいと思ってください。
「成績がいい生徒」が抱える悩みは、
- 学校の授業じゃ物足りなさ過ぎ
- 難関校のための特殊な対策をしたい
といった点なので、学校の先生よりも豊富なことを知っているプロの塾の先生が教える授業の方が効果的です。(個別指導塾の先生は大学生なのでプロじゃない!)
逆に言えば、成績がオール3に満たない場合は、集団授業の塾に行くのは絶対にやめましょう。最も大きな理由の一つは、「授業に追いつけずに塾が意味なし」の状況になるからです。集団指導の塾は性質上、デキる生徒を伸ばして合格実績を上げることが必要で、どうしても授業はデキる生徒に合わせることになるからです。知的好奇心も旺盛でなければ塾の先生の話に興味を持てません。
だから「成績がオール3に満たないくらいだったけど、集団塾に行って成績がすごく上がりました!」という事例はほぼない。ありうるけど、それは明らかに塾より別の要因。今までサボってたけど入塾きっかけに勉強するようになった…とか。
集団塾は勉強に不安があったり、オール3をとるのがやっとの場合は結構苦しい。一人一人に細かなサポートは難しいので、自信を失うきっかけになりやすいのでやめておくことをオススメいたします。
性格編
「集団指導塾は成績のいい生徒が行くべきだ」と言いました。でも一つだけ例外があります。
それは「成績が悪すぎても、負けん気・競争心が強すぎる場合は集団指導塾がいい」ということ。他人に負けたくないと異様なまでに考え、なぜか「私はやればできる」と信じている生徒。今の時代にそんなヤツなかなか見ませんが、いた場合は是非集団授業へ。最近で言うとドナルド・トランプみたいな(?)生徒かな…
なおかつ、強引にでも先生に質問するなどして、質問で先生を独占しちゃうくらい自己中心的(?)な生徒。集団指導塾に行けば伸びますよ。特に厳しい集団塾。(たまに激甘な集団指導塾もありますが、意味ないので極力避けましょう。)
個別指導塾に向いている生徒
個別指導塾は正直言ってどんな生徒でも対応可能です。だって個別に見るのだもの。どんな生徒でも対応できて当然。成績はオール1からオール5まで。
成績編
ただ、特にオール3周辺、もしくはオール2からオール3の間くらいの生徒は個別指導塾がオススメですよ。高倉塾に入塾する生徒も、入塾当初はこれくらいの成績の生徒が多いですよ。
このあたりの学力層の生徒は、どっか前の段階で分からなくなってたり、今やってるところがとても苦手だったりします。集団指導は「ここは前やったから分かってるよね」が前提で進められてしまいますが、個別指導ならば一度その生徒のためにストップして解説してくれます。ここが最も嬉しいところ。オール2程度の生徒は集団指導塾なんてありえません。
逆に言えば、オール5近くある生徒ならば個別指導塾はそんなに意味がないかも。もっと知的好奇心をそそるような授業をすべきですが、個別指導塾というものは、学校以上の学力を身につけることはそもそも想定されていません。講師も大学生ですので、一人の生徒のために難関校合格のカリキュラムを作ることは不可能。フォロー程度が関の山。
性格編
個別指導に向いている生徒を性格的な観点から分析すると、1番は「競争心無く、おっとりした生徒」です。集団指導の塾の1番の醍醐味は競争心が煽られるところですが、穏やかな性格だと、それは自信を失う原因になります。中学生は一度自信を失えば、ずっと「勉強は難しい」とか言い続けます。丁寧に笑顔で本人のペースでの勉強を支えてくれる個別指導塾は非常にお勧めできます。塾に安心感を持つでしょう。
だからオール5程度あったとしても「ゆったりした性格」の生徒の場合は個別指導塾の方が向いています。それくらい成績のいい生徒なら、自分で不安な部分を先生に伝えることもできるでしょうし、常に納得の行く授業ができる可能性が出てきます。
番外編
たまに「うちの子には競争心を持って欲しいから集団指導塾に入れました」という保護者の方がいらっしゃいますが、それって逆効果ですよ。競争心は男性ホルモンの分泌量とか先天的なものか、もしくはもっと小さな頃の家庭環境によって左右されるものです。中学生くらいになってから急に「さぁ負けずに頑張るのよ」とか言っても本人は嫌な思いをするだけの可能性もあるので、注意したほうがいいかもしれません。
迷ったら基本原則に従いましょう
上述したように、塾選びを間違えた場合、京都の相場では年間50万円を無駄にします。どうしても迷ってしまったら、以下の原則を踏まえて選択肢を絞ってください。
- 堀川探求や嵯峨野こすもす等難関校を目指す→集団しか無理
- オール4以上→集団指導塾OK。(ただし性格的におっとりなら個別も検討)
- オール3以上オール4未満→個別指導塾が望ましい。(ただし競争心激しければ集団でOK)
- オール3未満→個別しか無理
この大体の基準は最低限守らないと、成績って全然上がりません。成績上げるってめちゃくちゃ大変なことで、最低限に生徒と塾の相性が合っていないと難しくなってしまいますので、生徒の将来に最も貢献してくれそうな塾を選んでください。
今回は、集団指導?個別指導?経験からお伝えする、本当に正しい塾の選び方。間違った塾選びは年間50万円無駄にします。…という話でした。お互いハッピーになれる塾が見つかることをお祈りしています。
コメントを残す