上京中学校の定期テスト 傾向とやっておくべき対策(数学)

高倉塾は上京中学校が最も近い中学校であり、現在の塾生や卒塾生の割合も高めです。さらに事実かどうかは別として、上京中学校の生徒や保護者の方からは「上京中はテストが難しくて、他の中学校よりも成績が取りにくいらしい」という話を聞くことがよくあります。


このため、塾は特に上京中学校に関しては定期テスト傾向を把握し、そのための個別具体的な対策を行なっていかなければなりません。


ここでは、上京中学校の定期テスト(数学)の傾向を書いていき、最後にその具体的な対策を提案していきます。


結論としては、高得点を取るためには、前の学年など復習範囲の計算問題を計画的に解いてトレーニングすることが求められます。それを抑えるだけで、日頃の努力と比例するテスト点数が得られるでしょう。

公立高校の入試問題に寄せた問題構成

中3になっても、私立が第一志望の生徒を除けば、ほぼ全員が必ず京都府の公立普通科過去問を何度も解いてトレーニングすることになります。難関高校を目指す生徒であっても、まずは普通科レベルをこなすことが学力のベースとなるからです。

上京中学校の数学の定期テストは、公立高校の入試過去問に似ています。

復習を含めた、基礎の計算問題

最近は特に顕著ですが、上京中の問題は、最初に出題される復習範囲や計算問題の配点がとても大きくなっています。どれくらい大きいかというと、学年により違いはあるものの、最低でも20点、多ければ40点はそこだけで出題されています。

実際の定期テスト問題。復習分野の割合がとても多い

これは、明らかに他の中学校よりも強い傾向です。他の中学校であれば、「今学校で学んでいる新しい範囲」がメインであり、前の学年の復習範囲や基礎計算問題は、全く出題されないか、出されてもせいぜい10点程度です。上京中のように、その範囲が多ければ40点程度を占めるのは、特殊な対策が必要であると言えます。

つまり、新しく学んでいる分野のみをしっかり学んでいても、

  • 中1の忘れている範囲がある
  • それを復習していたとしても、計算スピードと正確性が高くなっていない

こんな状態であれば、高得点を取ることがとても厳しくなっています。高倉塾に入塾してまもない塾生を例にすれば、平均的な学力で入塾した生徒でさえ、「その40点分の50%を取れれば良いくらい」のレベル感です。その範囲の問題は決して難しい問題ではありませんが、やはり意識的な復習トレーニングを行わなければ、そこで得点を稼ぐことは難しいはずです。

サービス問題を得点できないのは、入試でも致命傷である

ここで言う「上京中の、最初の方に出る復習分野の計算問題」は、どちらかといえばサービス問題に属するものです。


高校入試でいえば、サービス問題とは「焦点を絞って勉強していれば誰でも解けるが、していなかったら解けない」ような問題であるので、まさに復習分野の基本問題がこれに該当します。上京中の最初の方の計算問題も、意識的にトレーニングしていなければスラスラ満点を取ることは難しいです。

中1テストでもきっちり復習計算問題がある

ただ、入試で合否を分けるのは「難しい問題をたくさん解けたかどうか」ではなく、「平均的な合格者が解ける問題をどれだけ解けたか」です。したがって、こういった問題を落とす塾生がいた場合、黙って見過ごすわけにはいきません。

この構成自体は、公立高校の普通科の中期選抜ととてもよく似ています。

京都府公立高校の入試制度【京都府】公立高校(普通科)の入試制度を解説

公立高校の中期選抜の数学では、最初の基本的な計算問題で、毎年16点の配分があります。満点は40点ですから、40%は基本的な計算問題で得点が取れるということになります。上京中も、100点満点の定期テストで40点ある場合もあるので、これは配点割合が入試問題と完全に一致します。

公立高校の入試問題。左1ページの基礎問題で16点(40%)。

上京中の数学出題者の意図の一つは、

定期テストでも、公立高校と同じような問題を解いて慣れろ

で間違いないようです。

その他の新分野の問題

復習範囲を含めた計算問題ゾーンが終了すると、通常のように「現在学んでいる新分野の問題」ゾーンに入ります。こちらの問題も、普通のワークに載っているようなお決まりの文章問題だけではなく、多少オリジナリティのある思考問題も多いです。


つまり、教科書準拠の素晴らしいワークに常に取り組んでいたとしても、それだけでは全てに正確に解答することはできません。

  • 数学的な思考力
  • 推理力
  • 読解力

こういった、「数学の授業を受けているだけでは鍛えられない力」を必要とする場合があります。どちらかといえば、努力というよりは元々の能力や蓄積がものを言う分野であって、簡単に向上させられるものではありません。


ワークを解いていくだけではなく、その数学概念を根本的に理解し、考えることを楽しむような練習を追加しなければなりません。

塾で行う「上京中 定期テスト」の具体的な対策

塾では本腰を入れて、上京中のテスト対策として、特別なメニューを提供することにしました。これは他の中学校の塾生にも役立つことなので、所属中学に関わりなく行います。

各学年の基本問題プリント

季節講習会でも利用する『新中学問題集』の標準・発展編ともに各学年の基本問題プリントがあるので、それを時間を測って解く時間を作ります。


基礎問題ですから、平均的な数学力があれば多くは確実に解くことができます。それでもまだまだ、数学が得意な塾生であっても、凡ミスとちょっとした勘違いがたくさん出てきます。これをその場で採点して指導していくシステムはとても効果がありました。


2年生以上であれば、1年生からその復習範囲の全てに取り組んでもらいます。1回1時間であったとして、合計でだいたい5時間もあればほぼ全てを密度高く一周できます。テスト3週間前ほどから改めて確認ができれば、この辺りの得点対策として十分に機能します。


中学生の習慣として、あまり時間を計測して意図的なトレーニングを行うことは少ないと思われます。ただ、上京中の定期テストであれ高校入試であれ、後半は「よく読まなければ解けない、骨のある問題」が待ち構えているので、時間を節約しておくことが大切です。このトレーニングのように塾の監視下で対策を行うことで、時間面に関しても意識を強めてもらおうと思います。

見込む成果と今後

最初の基本問題において、全ての塾生で90%以上の得点率を実現することが目標です。次回も同じ範囲で40点分あれば、36点を目指します。


元々90点以上が取れている塾生は、さほどこのトレーニングに意味はありませんが、70点未満であったケースでは特に有意義になるはずです。70点を取った塾生であっても、この範囲の正答率は70%程度でした。つまり、40点あったとすれば30%の12点を落としています。落とさなければ82点であったことを意味します。


もちろん、出題する先生の意図によりこの割合は大きく変わるでしょうし、今後も傾向が続くのかどうかは分かりません。ただ、早い段階から高校入試を見据えることには大きな意味がありますし、無駄になることがありません。


11月の期末テストに向けて引き続き勉強させていくつもりです。


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