京都府の高校受験を控える中学生は、11月時点は最低限に下記のようなトレーニングを終えているか、開始していることが不可欠です。
- 京都府の公立普通科の過去問(前期、中期)
- 他府県の公立高校過去問
高倉塾で言えば、受験対策テキストのシリウスや英文精読講座などが該当します。
この他、個別指導塾であれば、個別授業にて志望校の過去問をみっちり教えているはずです。
志望校に関係なく、11月時点においてはベースを養うものとして中期選抜の問題に必ず向き合っていなければなりません。これらのベースがなければ、私立や普通科を第一志望とする場合はもちろん、探究やこすもす等の専門学科でも安心して受験することができません。難関高校の問題も、中期選抜の問題も実はそこまで難易度は変わらないと思っていいです。
志望校の偏差値に関係なく、普通科の入試問題を舐めまわした者の合格率は他のライバルよりもはるかに高くなります。
加えて、第一志望合格のためには何点とれば良いのか、どの教科でどれくらいの得点が見込めるのか、などは少なくとも塾の責任者は各生徒について把握しておくべきでしょう。
「かなり余裕で合格しますよ」と言われるような志望校であれば問題ありませんが、「今の成績だと、この高校は頑張らないと入れないですよ」と言われている場合、11月に入ってもまだ本格的な志望校対策ができていないのであれば合格はかなり厳しい状況ではないでしょうか。
ただ、特にフランチャイズの個別指導塾などでは、そんなに深い進路指導がなく、合格のための道筋が示されずにずっと時間が過ぎてしまっている事例によく出会います。集団塾では比較的対策が進んでいることもありますが、個別の対策はもともとサービス内容に含まれていないので、「自分の志望校の過去問対策や個別質問の機会などがなくて不安である」として相談に来ていただく中学生や保護者の方は多いです。今年もそんな状況を変えるため、何人かは既に高倉塾に入塾してくれています。
堀川探究や嵯峨野こすもすなど難関校の合格を目指すため、あえて大手集団塾を辞める理由は何か環境を変えて頑張ってくれることは嬉しい限りであり、塾としては全力を尽くすだけのシンプルな仕事です。しかし、特に中3の受け入れ期限は設けていないものの、11月スタートですら厳しい戦いを強いられることを考えると、11月を終えた12月からの受け入れだとほとんど結果が出せない可能性が高くなってくる印象があります。
12月から受験対策をスタートするとすれば、私立(2月10日)と公立の「その他専門学科」(2月16日)にはまる2ヶ月ちょっとでぶつかることとなります。もし12月になってもまだ受験対策を意図した計画的なトレーニングを行っていない場合は、その全てを2ヶ月で費やさなければなりません。
このトレーニングや計画は、あくまでも年単位であり、早ければ中1の夏期講習から意識されるべきものです。現状と志望校レベルによるものの、少なくとも半年は見ておかなければならないでしょう。つまり開始したり意識するのが遅ければ遅いほど、ギュッと短縮された余裕のないスケジュールで戦わざるを得なくなってしまいます。
12月に入る頃にやっと受験対策を行う場合、やれることが非常に限られてしまいます。例えば合格率を大きく高めてくれる英語長文読解に関しては、じっくりと補強をする時間がなく、限られた成長度で望むことになるでしょう。
また、数学に関しても苦手分野の補強が不可欠であり、理科も苦手単元を潰していく作業が必要ですが、そのための時間をじっくり取ることができません。最後の定期テストもありますし、受験対策にかけられる時間が少なくなっているからです。
私は塾生かどうかに関係なく、全ての中学生に「自分の目標とする高校への道筋を全力で走る経験」を積んでほしいと思っています。しかし、まだ志望校への道のりが自分でも分かっておらず、提示もされていない場合は、すぐにでも合格のための戦略を考える必要があります。
- 現状の成績と照らし合わせて、当日に何点取れば合格できそうなのか
- 志望校の前年度倍率はいくつですか。何人受験して、何人合格しているのか。
- 過去問を実際に解いてみて、どの教科で何点取れそうか。
- 2月(3月)の受験まで、何をどれくらいやればいいか。
- 今やっているテキストは、何月までに終わらせるべきか。
模擬試験とか高校受験当日とか、そのための毎日の勉強とか、これは全て今後の人生のために良い経験を積むためにあります。合格とか不合格が1番大切ではありますが、それはあくまでも「その過程でやるべきことをやり切れたこと」が大前提にあります。
「本当に合格したい気持ちがあるが、志望校の過去問などをはじめとした、本格的な受験勉強ができていない状況」にある中学生は、一刻も早く身近な人に相談しつつ遅いスタートを切ってください。逆にいえば、まだ11月はギリギリのラストチャンスであると思って行動してください。3ヶ月か4ヶ月あれば、人生を変える可能性を持っています。