2024年の髙倉塾の振り返り

髙倉塾という個別指導塾を運営していて、2024年に感じたことを大晦日に書きます。

一. 個別指導塾という仕事を楽しまなければならない

2024年の運営を通して、「運営のトップがその仕事を楽しんでいるかどうか」がとても重要であると感じました。それを学び、実感した1年であったと思います。


2024年に関して振り返れば、「なんかとにかく楽しかったなぁ」という感想が何よりも真っ先にやってきました。この一年はどこかに旅行に行ったりとか遊びに行ったり、家でゆっくりしたり、などの時間はほぼ全く取らず、むしろ休日がなくて寝るのが遅くなり、繁忙期は徹夜になってしまったりの一年で、休んだ記憶がありません。週末は所属する社会人チームのサッカーのリーグ戦があるので、そういう日だけはちゃんと休みました。塾のポリシーとしても、(ほぼ)年中無休を目指しています。


じゃあ不満の残る一年であったかというと全く逆で、むしろとても楽しくて刺激的、多幸感あふれる一年でありました。疲れたときはむしろ仕事に行って、講師ががんばって授業をしていたり、各生徒がいろんな問題と格闘している姿をみること自体がこの上ない休息・オアシスとして機能してくれた一年であって、2025年もこういう1年になればいいな、と思えた年でした。「仕事に癒やされる」だなんて、地上にこれ以上の幸福を求めることは恐れ多くてできません。これは、「ここで頑張ろう」と思ってくれた生徒が頑張る姿を見ることが仕事になる、学習塾運営の特権であります。いつも「早く教室に行きたい」と思っていました。


髙倉塾を選んで「一生懸命に頑張ろう」と思ってくれる生徒が教室で淡々とテキストに向き合ってくれる姿はとても嬉しいものですし、それを送迎でサポートいただいたり、こまめな連絡でご協力いただいた保護者の皆様のことを考えると、2024年には感謝の気持ちでいっぱいになります。そういうことを思い返すたびに、学力向上や受験のプロとして、その気持ちを裏切ることのない仕事をやりきりたいという決意を固めさせてもらっています。


こういう風な気持ちでやっていると、自然と「あれの解説を作っておきたいな」とか「この問題はこいつら解けるかな」と思いながら問題を作ったり、渡した問題を解けずに困っている姿を見て楽しんだり、「ここに行きたいならこの成績まで上げろ」「次の模試でダメなら死ぬと思え」という声かけをしたりとか、「次でこの子の英語はなんとか5を取らせてくれ」と講師に伝えたりとか、いろんなアイディアが浮かんでくることを実感しました。たぶん、こういった仕事を好きでやっているが故に出てくるアイディアとか行動が、塾を強くするのだろうなと思います。合格実績とかその塾のカラーとか差別化要因とか、そういうのはその後に勝手についてくるものなのでしょう。そういうビジネスチックなことを考えないことが、逆に仕事の真髄なのかもしれませんし、それが何となく自分の性に合っています。


「個別指導塾を運営するのなら、誰よりもその仕事を楽しんでいなければならない」


今までも何となく分かっていたことですし、どんな仕事にも通ずることではありますが、よりリアルに実感させてくれた2024年でした。ありがとうございました。

一. 講師採用は学歴ではなく、熱心さ、勤勉な人間性で判断しなければならない

「成績を上げたい」とか「◯◯高校に行きたい」とか考え、個別指導塾に通うとしましょう。例えば数学だと週1回通うのが普通です。じゃあその週1回の数学の授業を受けて成績が上がるのでしょうか?ノー。そんなことで成績は上がりません。1日は24時間あるので、「その生徒自身のベースとなる考え方や行動」、これが変わらないとレベルが上がるほどのインパクトは出ないのです。


逆にいうと、これさえ達成されれば、履修してない科目の成績も上昇の兆しを見せてくれることが多いです。


入塾をきっかけに成績を大幅に高めてくれたり、大きな成長を見せてくれる生徒はそういった変化があります。そして、それを引き起こすのはいろんな意味での精神的成長です。これを作らないといけないし、学習塾は勉強の教え方とか、ハイレベルな授業とか、そういうことも大事ですが、もっとこういう側面に注目しなければならないと思います。「成績が上がっているのは良い授業をしているからだ」とか短絡的に捉えているようではシロウトの個別指導塾であって、成績が上がらない生徒の理由や改善点を見つけ出すこともできないでしょう。もっと授業だけでない、俯瞰的な捉え方が求められるのです。


これを実現するファクターの一つとして、担当講師の存在を挙げたいと思います。しかもその講師の学歴がどうか、第一印象、とかそういう要素よりもその講師の人間性を見極めることの重要性を感じた2024年でした。その人によってその方向性は様々ですが、仕事に対する誠実さ、熱心さ、そして担当生徒に対して同じ目線で悩めるのかどうか、こういった人間性に影響を受けることが、その生徒の日々の行動を変える大きなきっかけとなっているように思います。

よく、「◯◯くんは最近どうなの」という話をしたとき、その生徒が抱える問題を自分のことのように悩んで話してくれる講師や、自発的に生徒のためのプリントを作成したり、また勉強に関することだけでなく、一つ一つの行動や言動などの精神的な成長に対して喜んで話してくれたり、そういった視点を持って働いてくれる講師といっしょに勉強している生徒は高確率で伸びているように思います。数年単位で髙倉塾でサバイブしてくれている講師は、みなこの力を持ってくれています。しかし、そのような視点をもって仕事をすることに楽しさを見出すことができる人は限られているのでしょう。すぐに「すみません、いろいろ忙しくなったので辞めさせてください」とやんわり伝えてくれる人の方が多く、2024年はそういうケースが過去最高に多く、運営者としてとても多くを学んだ年となりました。それも立派のその人の道であり、別の道ではハイレベルな活躍をしてくれるでしょう。成功を願ってニッコリ、去るもの追わずがコツです。


保護者の方の視点でいえば、最初の入塾前の面談にて一通り説明した後、「なにか心配なところはありますか」と聞いたなら、「講師は大学生ですよね?その点が心配です」と伝えられることが数え切れません。これは当然の疑問であって、その心配を伝えてもらえることに感謝します。しかし実は本音を言うと、私はテキトーに仕事してる正社員、大人なんかたくさん見てきましたし、逆に誠実さと責任感にみなぎっており「自分より何倍も優秀だなぁ」と思う大学生も見てきているので、それは一種の偏見のように感じることがありました。肩書や地位でなく、その人を見ることの難しさです。


ただよくよく考えてみれば、髙倉塾で長きにわたり貢献してくれる講師はとても貴重な存在であるし、それは少数派であることを自覚する必要があったのであろうと思います。逆に言うと、上述したようなタイプの講師が揃う個別指導塾を作ることができれば、たいていのケースにおいて「髙倉塾に行ってよかった」と思ってもらえるような環境が作れることを学びました。大手の個別指導塾とか、このへんは割とテキトーに採用してると思うのですが、こういう人たちを厳選して採用するのって難しくて忍耐強さが必要だし、システマチックに採用するのはそりゃ無理だよなぁと思います。


なんでこういう話をするかというと、2024年度は複数の講師が大学を卒業して立派な職場に羽ばたいていってくれる年だからです。また安心して任せ、なおかつ生徒にポジティブな影響を与えてくれる講師を迎え、新体制をスタートしなければならない2025年です。今卒業してくれる講師と同じくらい、素晴らしい講師をまた迎えることができるのでしょうか。期待と願いに100%応える仕事ができるよう、この点を妥協なく、慎重に進めなければならないと身を引き締める2025年にするぞ、と思います。

ありがとうございました。

結論としては、2024年、生徒も保護者の方も、みなさんありがとうございました。また、ブログを読んでくださったり、コメントを書いてくださった皆様、本当にありがとうございました。


2025年、今通ってる生徒がどういう成長をしてくれるかなぁ、とか、どういう生徒との出会いがあるかなぁ、とかいろいろ楽しみです。

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