高倉塾は個別指導をベースとした教育サービスを提供しています。つまり、成績や志望校レベルに関してはオールマイティに対応できることが強みです。「最難関高校を目指している!」という塾生も、「とにかく高校に入るために頑張っている!」と考える塾生に対しても、個人個人にカスタマイズして勉強を進められることが強みです。
ただ高倉塾の特徴としては、
- 堀川 探究学科群
- 嵯峨野 京都こすもす科
- 西京 エンタープライジング科
- 桃山 自然科学科
- 山城 文理総合科
- 紫野 アカデミア科
- 鳥羽 グローバル科
などの「その他専門学科」や、洛南や立命、同志社など難関私立を目指す塾生も一定数います。
毎年そういった塾生を見送っていますが、合格者を見てきた結果として、
そういった高校に合格する塾生像をイメージした時、合格できる最低限の学校評定は5科合計で17程度であろう
と考えるようになりました(5段階評価、中3の1学期評定)。
もちろん、「5科17を取れているならば合格できる」という意味ではありません。
このブログでは、細かい話を含めてその根拠を解説するので、
「京都の高校受験、この評定で上を目指して良いのか分からない」
など、現状の評定と志望校のバランスに不安を抱いている京都の高校受験生は参考にしてください。
まずは、京都の中学生やその保護者間、学校や塾の進路指導においてささやかれるような、世間的な感覚からおさらいしましょう。
これらの高校の各コースは京都府の公立高校では最難関であるとされ、各中学校の学年でトップクラスの生徒が目指すような場所です。模試企業の偏差値を考えても、実力の高い生徒が席を争います。
私立でいえば、
- 洛南 空, 海
- 立命館 MSコース
あたりが該当してきます。
世間的な感覚では、中3の夏休みあたりに「第一志望として、このあたりの高校を目指したい」と伝えたときに、「君なら合格できると思うよ」と言ってもらえるのは5科合計で22~25近い生徒だと思われます。つまり、全て5を取っているか、少し4があるか、という程度です。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 22 |
この5科評定を、世間的な『挑戦可能ライン』としましょう。
これが例えば、中3の1学期時点でオール4の5科20であれば、難色を示す人も急激に多くなってきます。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 20 |
これらの高校(コース)も先程の3校に比べて人気が高いです。
受験者の多い私立でいえば、
- 大谷マスター
- 花園特進A
あたりが似通ったラインだと思います。
世間的な感覚では、中3の夏休みあたりに「第一志望として、このあたりの高校を目指したい」と伝えたときに、「君なら合格できると思うよ」と言ってもらえるのは5科合計で20近い生徒だと思われます。つまり、全て4を取っているようなケースです。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 20 |
桃山自然科学あたりだと数学と理科で5があれば嬉しいですが、しかしこのレベルであればGOサインが出しやすいと判断される水準です。
これらの高校ですと、5科で17あたりになると「少し厳しいですね….」と言われるケースが一気に多くなってきます。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 17 |
このあたりの評定を持っている本人と面談をしたとしても、「行けるなら行きたいけど、私にはそんな高校は無理だろう」と答えてくれることが圧倒的に多いです。
しかし当然、「合格できるのか、難しいのか?」に明確な答えを出すためには、実際のデータを見なければ何も判断できません。普通の保護者の方や中学生はそのようなデータを持っていませんし、単純に「あの賢い先輩が受けているから、あのレベルじゃないと合格できないのだろう…」というような噂や推測ベースでしか判断できない状況があります。
それをはっきりさせるために、高倉塾のデータを一部だけ抜粋するので、ぜひ参考にしてください。
このレベルの高校合格者において最も低い5科の評定は、18です。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 18 |
数年前の合格者、中3の1学期評定です。2学期では英語が5になり、19となりました。
ちなみに、中3の1学期、9教科では32です。
この塾生は嵯峨野高校の京都こすもす科への合格者ですが、余裕のある合格であったため、おそらく堀川の探究科であっても合格したと思っています。
しかし普通は、中3の1学期時点でこの成績では「この高校は難しいです。諦めた方がいいのでは…」と言われてしまうことが普通でしょう。
このレベルの高校合格者において最も低い5科の評定は、17です。
数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 国語 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 17 |
中3の1学期時点で上記の評定を取っていた塾生が、桃山高校の自然科学科に合格したケースがあります。桃山の難易度は少し高いため、山城高校の文理総合でも、紫野のアカデミア科でも合格したはずです。
ちなみ9科ではバレー部に所属していただけあり、体育だけが4の30でした。
彼女は数学は好きで得意でしたが、他に関しては特に強みもなく、重要科目の英語もあまり長文が読めないような状況でした。ただ、このあたりは基礎トレーニングを個別指導するだけで2月時点で戦えるレベルまでは到達します。
この評定で、なおかつ部活を頑張っているケースであれば、桃山自然科学科は「難しいですよ」と言われるか、そもそも自分で「私には難しいだろう」と考えて志望校から除外することが普通です。
上記のような実例を何件か観測することで、高倉塾の肌感覚としては
「専門学科レベルに合格できる最低限の5科評定は、17だろう」
との結論をもつに至っています。これ未満でも合格者はいるはずですが、そもそも挑戦者が急激に少なくなってしまうこともあり、高倉塾では事例がないため何とも言えません(やる気のある挑戦者がいればサポートしたいです)。
合格したいと願う高校受験生にとって、「自分と同じ評定あたりでも成功した人がいる。自分も夢が届くかもしれない」と考えられることはとても大きな希望になるのではないでしょうか。
この評定からの合格方法はとても簡単です。当日点で逆転できるように真剣に考えて行動するのです。評定での『報告書』点では他の受験者に勝ち目がないので、当日試験の一点勝負で他に戦いを挑みます。
ここで各専門学科の、学科試験の満点を見てみましょう。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
堀川 探究 | 100 | 100 | 100 | 50 | 50 | 400 |
嵯峨野 こすもす | 100 | 100 | 100 | 50 | 50 | 400 |
西京 エンプラA1 | 100 | 150 | 150 | 100 | 50 | 500 |
西京 エンプラA2 | 80 | 120 | 120 | 80 | 40 | 440 |
桃山 自然科学 | 100 | 100 | 100 | 100 | – | 400 |
山城 文理総合 | 100 | 100 | 100 | 50 | 50 | 400 |
紫野 アカデミア | 120 | 120 | 120 | – | – | 360 |
鳥羽 グローバル | 100 | 100 | 100 | – | – | 300 |
工学院 フロンティア | 100 | 100 | 100 | 100 | – | 400 |
例として、堀川探究科や山城文理総合など、学科のみで400点満点を持つ学校を考えてみましょう。
合格者の中でも、下の1と2の受験生が混在します。
- 400点満点で、300点を取って合格する人(7.5割)
- 400点満点で、200点を取って合格する人(5割)
つまり、同じ合格者においても、当日点で100点変わる可能性があると言うことです。実際、堀川探究や嵯峨野こすもすあたりになると、5割の200点で合格している人もたくさんいます。
もし、周りの合格者が当日点で200点の中、自分が250点(63%)を取れたらどうでしょうか?もちろん、評定のハンデなど軽く吹き飛ばすことができます。
そんなの無理だ、と思われるでしょうか?しかしこのブログで書いたような評定で合格した人は、これを信じ、これに賭けて受験シーズンを過ごしたと言うことです。
高い評定、誇れる評定がなかったとしても、それでもパンフレットを見たりオープンキャンパスに行ったり先輩の姿を見たりして、「どうしても合格したい」と思ったのであれば、これに賭けて一度きりの高校受験を過ごすことは悪い選択ではないと思います。
逆に言えば、塾としてはオール5近くある塾生に「こんな評定など、当日で全てが吹き飛んでしまうのだ、危機感を抱いてほしい」と毎年伝えなければなりません。
この評定から合格するためには、いつも通りの勉強ではとても難しいです。
その志望校の合格のための最短距離を歩んでもらうため、たくさんの条件をクリアしてもらう必要があります。最低限、譲れない条件を2つだけ挙げてみます。
- 基礎以外に触れないこと。復習を重視して毎日を過ごすこと
- 本人のモチベーションがあること
もう何年も何度も何度も言っていることですが、「京都府の高校受験において、難しい応用問題は合格を遠ざけるだけ」です。張り切ってしまって、復習よりも応用問題に取り組む時間が長く、「応用問題も難しい、かといって復習も追いついていない」という深刻な状況で秋を迎える人が後を絶ちません。
塾の方針として、難関過去問レベルの応用問題は少なくとも秋以降に初めてトレーニングするものであって、早くから触れるものではありません。そちらの方が揺るぎない基礎学力が固まるし、さらに秋以降の難問応用演習の理解度が飛躍的に伸びるからです。

まずは、自分の弱点を克服するようにしてください。高倉塾では季節講習会を「数英の苦手単元の復習」のための個別指導に時間を投資していますが、それを受けてもらうだけで毎回本当に安心します。
こちらも当然ですね。評定が17以上あるからといって、全員に対して「この子なら合格できる」と思えるわけではありません。合格したい気持ちと、あとは毎日を粘り強く過ごす人間性は求められます。
本人が「合格したい」と強く願うほど、合格率は顕著に伸びることは間違いないと思います。私ですら「なかなか難しいかもしれない」と感じて合格発表でハラハラする展開になっても、こういう願いの強い塾生はトレーニングメニューを全てこなし、ほとんど合格しました。
やはり、長く願って努力したことはなぜか実を結ぶ確率が高くなるのです。
京都の公立専門学科や難関私立を目指せる『挑戦可能ライン』は5科17である!と伝えましたが、このあたりの評定で難関高校に合格するためには、少なくとも夏から必死になって志望校合格を目指さなければ難しいです。
これが冬の時点だと話が全く変わり、そこから目指したのでは現実的に少し難しくなるでしょう(それでも挑戦して失うものはない)。
このブログを書いているのが8月1日の夏真っ盛りの時期であり、まさに塾生の本気が見えてくる時期です。このブログを読んでくださった人も一緒に目標に向かってスタートを切ってほしいです。