今回は、公立高校の学費について詳しく解説します。
公立高校の具体的な学費にフォーカスしつつ、その情報をお届けしたいと思います。
それとともに、支援金の制度・申請方法も合わせてご紹介しますので、後半までしっかりと読んでいただきたいと思っています。
公立高校、年間の総費用
先に結論ですが、公立高校の年間総費用の目安は、以下の表です。
もちろん学校によって多少の差はでますが、大きな参考になるはずです。
結論
公立高校にかかるお金は…
- 3年間で、約70万円。プラス部活動3年間分
- 支援金の活用で、3年間で約40万円プラス部活動3年間分まで減額。
というのが目安です。
以下にその内訳と詳細を記載します。
特定の年にだけかかる費用
入学金 | ¥5,650 |
制服・体操服等 | ¥40,000~¥80,000 |
修学(研修)旅行 | ¥60,000~¥150,000 |
合計 | ¥105,650~¥235,650 |
特別なことがない限り、特定の年だけにかかる費用は上の2つ。
かなり幅広く費用が出てしまいましたが、制服や修学旅行は学校により差があるからです。
修学旅行費は、国内なら6~7万円、海外なら10~15万円と考えてください。
年間でかかる費用
授業料 | ¥118,800 |
教科書代 | ¥20,000~¥30,000 |
諸費 | ¥30,000~¥50,000 |
部活動費用 | 部活による |
合計 | ¥168,800~¥198,800 +部活費 |
安定して年間でかかってくるのはこのあたり。
教科書はもちろん学校により違います。
また、模擬試験などをたくさん受ける学校だったりすると、諸費も高めになりますね。
しかし全て合わせても、だいたい年間¥180,000を見ていただければ大丈夫でしょうか。
あとは部活動費ですが、これは部によって差がありすぎてちょっと概略を出すのは控えておきます。
3年間の合計費用
以上から、3年間の費用を合計して計算してみます。
まずは、入学金と修学旅行費用の合計
入学金 | ¥5,650 |
制服・体操服等 | ¥40,000~¥80,000 |
修学(研修)旅行 | ¥60,000~¥150,000 |
合計 | ¥105,650~¥235,650 |
そして、年間かかる費用の、3年間合計。
学校により差はありますが…、年間費用を¥180,000として計算します。
年間費用(授業料など)+部活費 | ¥180,000+部活費 |
3年間分(×3) | ×3 |
合計 | ¥540,000+部活費3年分 |
したがって、全ての3年間を合計すると…、
入学金・制服等・修学旅行費 | ¥105,650~¥235,650 |
授業料や部活費3年間分 | ¥540,000+部活費3年分 |
合計 | ¥645,650~¥775,650 +部活費3年分 |
ということになります。
高校により違いがあれど、ざ〜っと考えると、
「3年間で、約70万円に、プラス部活費3年間分!」
というのが一つの目安となります。
(※部活動費や課外活動費も考えると、全てをあわせて100万円くらいを見ておいたほうが無難かもしれません)
しかしこれらの授業料、京都府の支援金制度を活用すれば、
入学金・制服等・修学旅行費 | ¥105,650~¥235,650 |
授業料や部活費3年間分 | ¥540,000+部活費3年分 |
高等学校等就学支援金の支給3年分 | −¥356,400 |
合計 | ¥289,250~¥419,250 +部活費3年分 |
となり、
「約40万円プラス部活動3年間分!」
ぐらいにまで落ち着きます。
(部活など課外活動を活発にやるなら、それでも70万円くらいみたいところでしょうか。)
京都府の公立高校の学費・諸費用
上記の表が分かればOKなのですが、ココからは上で説明した各項目を突っ込んで費用を考えていきたいと思います。
京都の公立高校に通う場合、かかる費用をザッと挙げていくと…
- 入学金
- 授業料
- 教科書・副教材代
- 制服一式・体操服など備品
- 修学(研修)旅行の積立て
- 諸費(PTAや生徒会費、模試代など)
- 部活動費用
…と、これくらいですね。
あとは遠足とか社会見学のようなものもあると思いますが、キリがないこともあり、今回は省いて考えます。
入学金
入学金は、一律に¥5,650。
私立だと10万円程度は想定しなければいけませんので、かなりお安い印象です。
授業料
公立高校の授業料は以下です。京都府も、どこでも同じ。
※堀川・西京・工学院・日吉が丘・塔南などの市立高校も、同じです。
月額 | 年額 | |
公立高校授業料等 | ¥9,900 | ¥118,800 |
月に1万円ですね。これを学期ごとに納めていきます。
ほとんどが3学期制なので、4ヶ月分の¥39,600ずつを納めていく感じですね。
私立の授業料などと比べると、「ずいぶんと安いのね!」と思った方も多いかもしれません。
教科書・副教材代
公立中学校の場合は教科書は無償提供でしたが、義務教育を抜けた公立高校は実費購入ですのでご注意ください。
高校やコースによりますが、教科書・副教材代は年間で2~3万円を見ておきましょう。
堀川の探求科や嵯峨野のこすもす科や西京エンタープライジング科など…、専門学科も授業料は同じですが、教科書代で少し差が出るかなという程度ですね。
制服一式・体操服など備品
これも高校によって、また性別によってもまちまち。
参考程度ですが、制服上下で洛北高校は4~5万円、山城高校は7~8万円。
あとは、カバンや靴などに指定がある高校なら、その分上乗せされます。
修学(研修)旅行の積立て
高校のうちに一回限り、修学旅行も大きなイベントの一つですよね。
国内なのか、国外なのか、為替レートによっても違いますが…、
国内なら6~7万円、海外なら10~15万円程度でおさまります。
積み立てて払うか、一括で払うかなどによって多少の額の変化があるところも。
諸費(PTAや生徒会費、模試代など)
PTAや生徒会、模試など…、その他もろもろにかかる費用をまとめて諸費とすると…、
だいたい年額で3~5万円くらい。「諸費」として一括で計上する高校が多いようですね。
もちろん高校によって違いますので、詳しくはターゲットの高校に問合せてみてくださいね。
部活動費用
これが最も部活によって変動がある費用ですね。
部費はもちろん、1番かかる費用がジャージや指定バッグなどの備品、そして運動部では遠征費・合宿費。
ある程度は高校に確認しておく必要があるかもしれません。
年間で10万円ほどかかる高校の部活もあると思います。
高校へ電話で「◯◯部の年間費用の目安を教えてください」と伝えると、親切に答えてくれると思いますよ。
高等学校等就学支援金を活用しよう。
教育は国のもっとも大切なメイン事業。したがって、高校の学費に関してもしっかりしたサポート制度があります。
それが、高等学校等就学支援金制度。
一定の条件を満たし、申請が通ると、以下の額が給付されます。
月額 | 年額 | |
京都府公立高校授業料等 | ¥9,900 | ¥118,800 |
つまり、公立高校の授業料がかからなくなるわけです。
年間¥118,800が支給されるとなれば、けっこう大きいですよね。
公立高校の授業料が支給される条件・調べ方
支給の明確な基準は…、
保護者等(原則、父・母)の市町村民税「所得割額」(府民税を除く。)が304,200円未満の世帯
となっています。(京都府府民サービスナビより)
もしあなたの市町村民税「所得割額」が304,200円未満の世帯の場合、公立高校の授業料が免除されます。
「所得割額が304,200円未満の世帯って、どれくらいなの!?」
という疑問がありますが、一応の目安として、
「世帯年収が、約910万円未満」とされています。
目安を見ても分かる通り、年収910万円は非常に年収的には恵まれた方。
ということからも、むしろこの制度に該当せず、授業料を払っているご家庭の方が少数派。
市町村民税の所得割額とは、市町村民税のうち、所得に応じて支払うべき部分のことですね。
所得から正確に計算しようと思えばできますが…、非常にややこしいですし、自分で計算するとミスの可能性も。
なのでお手軽に、「どの書類を見れば自分の所得割額が分かるのか」をお伝えします。
会社員の方
会社員の方は多くの場合、市町村民税は給料からの天引き。
なので毎年6月頃に「市町村民税特別徴収税額通知書」などの書類が渡されるはずです。
そちらの書類の、「市町村民税所得割額」の項目を確認してみてください。
紛失した方も、市町村の役所に行って確認・発行してもらってください。
自営業の方
こちらも確定申告が終わった後の6月頃に、市町村民税の通知書が来ますよね。
そこに記載を確認しましょう。
紛失した場合は、市町村役場で確認・発行できます。
誰の所得を見ればいいの?
基本的には父母の所得なので、母親の所得割額の証明書も必要です。
しかし例えば、お母さんの年収が100万円未満であった場合、特に提出する必要がありません。
高等学校等就学支援金制度の申請・手続方法
申請の方法は、そんなに難しくありません。
多くの方が利用している制度なので、「申請の方法、ややこしくて手間がかかりそう!!」と言う方でも安心して利用できるはずです。
高校1年生のときにすること
まずは、申請からですね。
高等学校等就学支援金の申請方法は、各高校との間で行いますので、入学してすぐの4月頃に案内があるはずです。
もし不安な場合は、4月になったら高校に電話連絡などしてみてください。
大まかな流れは、
- 4月ごろ
- 申請書と、前年度の市町村民税所得割額が分かる資料を提出
- (これで4,5,6月の支給が判断される)
- 6-7月頃
- 届出書と、本年度の市町村民税所得割額が分かる資料を提出
- (これで7月から次年度6月までの支給が判断される)
となります。
各時期の書類などは、高校から配布されますのでご安心ください。
市町村民税所得割額が304,200円未満ならば、特に審査などはなく、機械的に認定してもらえます。
また、制度は、前年度の所得割額が分かる7月をスタートとして計算します。
なので、高1の最初の4,5,6月は前年度のものを提出し、支給してもらいます。
そして7月から次年度6月までを、本年度の課税所得割額で判断するため、合計2回の提出が必要になります。
高2,高3ですること
2,3年になれば、4,5,6月は1年生のときに支給が決定しているため、7月の申請の一回のみでOKです。
それが通れば、高2ならば高3の6月まで、高3ならば卒業までの支給が決定します。
基本的には高校から連絡があるかと思いますし、周りにも制度利用者はとても多いので、迷うことはあまりなさそうですね。
高校に聞いても、京都府に聞いても親切に答えてくれますよ。
高校に資料を提出しないといけないのは、高1のときに2回、高2,高3のときに1回ずつの、合計4回。
確認し、支給してもらうのを忘れないようにしてください。
再掲ですが、支援制度を活用したときの、全ての3年間費用は…、
入学金・制服等・修学旅行費 | ¥105,650~¥235,650 |
授業料や部活費3年間分 | ¥540,000+部活費3年分 |
高等学校等就学支援金の支給3年分 | −¥356,400 |
合計 | ¥289,250~¥419,250 +部活費3年分 |
上記くらいまで収まることになりますね。
突発的な支出が出ることはたくさんあるとは思いますが、ひとまずの目安にしていただけますと嬉しいです。
部活動費が未知数なので、ぜひ高校に確認してください。
詳しい質問のための連絡先
もう少し詳しく知りたい、特別に疑問点などある方は、以下の京都府担当部署に電話してみてください。
詳しく、親切に教えてくれます。
京都府教育委員会 高校教育課 就学支援担当 075-574-7518
万が一、「提出を忘れていた!!」という場合は…、原則的にはさかのぼっての支給はありませんが、相談すれば話を聞いてくれることもあります。
他にも困った場合は、京都府の担当部署に連絡してみましょう。
詳しく教えてくれますよ。
…というわけで、今回は気になる公立高校の学費について書いてみました。
大学受験もあるので、高校では塾代などいろいろなお金がかかるとは思いますので、早めに知っておいていただきたいなと思っています。