京都府の公立高校の中には、入試の難易度はもちろん、大学進学実績にも力を入れる『その他専門学科』を設置している高校があります。特に、以下の高校はしっかりとした対策なしに合格することは難しいと言われています。
- 堀川高校 探究学科群
- 嵯峨野高校 京都こすもす
- 西京高校 エンタープライジング
- 桃山高校 自然科学
- 山城高校 文理総合
- 紫野高校 アカデミア
これらの高校の合格を目指す中でも、「どんなテキストを使って、どのように実力を高めていくのか」を考えることは最も重要なキーファクターです。「テキストはどれも同じ」といった考え方は危険であり、同じ実力の2人が同じだけの努力を行ったとしても、テキスト選びによって合否が分かれることは長年の経験からも明らかです。
今回では、実際に高倉塾で長年の利用実績のあるテキスト紹介とその消化方法に加え、選定の考え方&よくある失敗にいたるまで詳細に説明します。京都府の専門学科合格を目指すのであれば、ぜひ指針として知っておきたい事項です。
もしあなたが京都府の公立専門学科を目指すとしても、決してテキストを何冊も用意しないでください。受験対策のためのテキストの種類は最小限にとどめましょう。このブログのタイトルに「最短で」の文字があるのはそういう意味です。
平時に使用する問題集などに加え、季節講習会ごとに「夏期講習会用テキスト」とか「冬期講習会用テキスト」「入試用テキスト」とか、種類を増やすと学力が高まりません。たくさん問題集をやった方が実力がつきそうなものですが、それは思い込みの可能性が高いです。堀川でも嵯峨野でも、シンプルなテキストで合格レベルに到達します。
専門学科を目指す生徒諸君は、質の良いテキストに何度もぶつかることを意識してください。評判のよい優れたテキストは、取り組む人間の実力が高まるように、例題から演習問題まで一貫した考え方のもとデザインされています。受験までの少ない期間では、それ以外のテキストに浮気する余裕などありません。
現在高倉塾では、基軸テキストとして「i ワーク」と「新中学問題集(標準編)」の2つを指定しています。日頃の学習から受験対策まで、この2冊をベースにトレーニングを行います。
もちろん、今まで専門学科に合格した生徒もこれらのテキストを軸に日々勉強してくれていた、実績あるテキストです。
iワークはレベル的にはほぼ基礎にフォーカスされています。「中学生レベルの実力を身につけるために、絶対に欠かせない問題群」は当然カバーされています。それに加え、問題数がたくさんあることがGoodポイントです。
申し分ない演習量を確保することができますし、章末問題などを活用すれば、定期テストはほぼ確実に高得点が取れるはずです。
ただ、入試レベルまで十分であるかといえば、全くそうではありません。「定期テスト」と「高校入試」に一定のレベル差があるため、入試まで見据えた学力錬成を考えると iワークでは足りません。実際の専門学科入試では、iワークのような教科書レベルテキストでは掲載されていないような問題がたくさん出ます。
一方、新中学問題集(標準編)は教科書に囚われない通年テキストであるがゆえ、問題レベルが高まります。高校入試の頻出分野の考え方をトレーニングできるような難問もバランスよく掲載されているのが特徴です。
新中学問題集(標準編)を年間通してキッチリ学び尽くすことができれば、堀川探究や嵯峨野こすもす、西京エンタープライジング含めた公立最難関にチャレンジする力は十分に身につきます。
もちろん、最初に挙げた京都府の専門学科全てにとってもベストな難易度です。
入試が近づくと教科ごとに補助教材が加わるものの、基本的には上記テキストの理解レベルを高めることに集中します。
2冊紹介しましたが、特に数学と英語に関しては、普段は iワーク だけに集中して向き合って問題ありません。どんな難易度の高校を目指すにしても、教科書レベル(基礎レベル)の問題に飽きるほど当たっていくことが、解答スピードや理解力の向上、また定期テスト対策としてベストな選択です。これが結局入試対策に活きます。
新中学問題集(標準編)のような応用レベルにも対応するテキストは、以下のような意図と時期で使うことが有効です。
- 普段の勉強の補助教材として(やや難問もたくさん解きたいとき)
- 夏休みや冬休みなど、学校の授業がない長期休暇での学力錬成のため
高倉塾での利用例を紹介すると、基礎テキストとしては生徒全員に iワークを指定しつつ、一定の理解度に達すれば補助教材として新中学問題集(標準)を使った指導を行い、記録します。普段の教材として利用するよりも、基礎を理解してから取り組む方がスムーズだからです。
春夏冬の長期休暇でのトレーニングにも最適です。一度学んだ範囲を復習し、さらに少し深堀りするのにとても便利です。学校がないため、その時期に新しい範囲を学ぶ必要がないため、既習範囲の学力向上のためには絶好のチャンスです。
高倉塾でも、春休み・夏休み・冬休みなどは新中学問題集(標準編)を活用します。季節講習会でのテキスト利用例として、ぜひ下記の記事を御覧ください。
中1から始める『入試トレーニング(季節講習会)』のねらいとシステム冒頭に挙げた高校を再掲します。
- 堀川高校 探究学科群
- 嵯峨野高校 京都こすもす
- 西京高校 エンタープライジング
- 桃山高校 自然科学
- 山城高校 文理総合
- 紫野高校 アカデミア
これらの高校に合格するために攻略しなければならない、一教科一年分のテキスト分量を確認してください。
- 基礎テキスト(iワーク)
- 応用テキスト(新中学問題集*標準編)
- 過去問(赤本)
これ以外にも補助テキスト、公立高校普通科の赤本などを随時利用しますが、上記の画像は、根気よく向き合えば合格レベルに達する分量と考えて間違いありません。新中学問題集(標準)にもiワークに載っているような基礎問題もたくさんあるので、それを省けばもう少し薄く考えることもできます。
難関高校攻略であることを考えると、想像よりもシンプルであるはずです。合格までの道のりは決して不可能なものではないことが分かります。
紹介したテキストは、これで実際に合格していった先輩たちが利用したものですし、実績としては間違いなく、安心して使えるものです。これらのテキストを、生徒たち全員が
- 適切な時期で
- より深く向き合えるように
これからも塾を改善していく予定です。全ての施策はそのために打っていきます。