個別指導塾を選んでいる保護者の方は多いと思いますが…、その判断基準はおそらく、
「この塾に入って、成績が上がるかどうか」
の一点ですよね。
どんなにフヌケた運営をしていても、成績の上がったら正義ですし、逆にどんなに熱心に教えていても、成績があがらなかったら悪だ!と言われてしまうのがこの業界…。
でも、「成績を上げる」という観点から選ぶなら、実は個別指導塾って入る必要はあんまり無いんですよね。
もし、「成績が上がるかどうか」で個別指導塾選びをしている保護者の方がいらっしゃったら、その選択はお金をムダにしてしまうかもしれません…。
個別指導塾を選んでいる方や、個別指導塾の意義を知りたい方は、是非よく読んでくださいね。
映像授業があるから、個別指導塾はいらない
「個別指導塾は別に世の中に不要なんじゃないの」
という理由はカンタンで、安くていい映像授業があるからです。
「有名な先生の授業が、スマホで見放題です!」
っていうサービスがありますよね。
そんなサービスが乱立しているので、スマホかタブレットで、カリキュラムに沿った映像授業を見て熱心に勉強すれば、定期テスト対策はほとんどカンペキにできてしまう世の中になっています。授業の質も高い。
有名なのはスタディサプリとかでしょうか。これでスマホの授業を受けて、分からない部分は学校の先生に聞いてしまう、ということができれば、勉強面では何の問題もありません。
個別指導塾は、高い。
月額で言うと、スタディサプリとかって¥1,000ですよね。安。
でも高倉塾だと…、週2回で税込みで月額¥30,000を越えるんですよ。これは、どう考えたってスタディサプリの方がオトクです(悲)。
もちろん、個別指導塾の方が、分からない部分もすぐに教えてもらえるし、きめ細かい対応が可能です。
生徒の好みやらキャラ、それぞれ持っている課題…などをサポートできるので、映像授業とは全く違う指導が可能です。
ただまぁ、
「それだけならば、月額¥1,000の映像授業の方がオトクだわ」
という考えも全く正しいと思います。
個別指導塾は、先生一人を独占に近い状態にできるので、どうしたって人件費がかかります。なのでやっぱり、映像授業はもちろん、集団授業にも価格競争ではボロ負けです。
・eラーニング市場、前年比106.7%の1,767億円…2017年度も拡大予測続く
上記の記事のように、やっぱり映像授業なんかはドンドン広がっていくようなので、塾選びに迷っている方は一度、「映像授業」という選択肢も考えてみるべきかもしれません。
個別指導塾はなくなるのか??
「じゃあ、高倉塾もあんまり必要ないので、閉店ガラガラしてください」
という結論になりそうですが、それはちょっと待ったと言いたいところ。せっかく開いた塾なので、できる限り必要とされるように、しぶとく運営していこうと思っています。
スタディサプリが¥1,000で、高倉塾が¥30,000。この¥29,000の差が埋まるくらい、個別指導塾が貢献できる部分もある!と思っています。
答えは精神的成長に。
カンタンな答えで締めたいのですが、何年か個別指導塾を運営していて確信できるところは、
「個別指導塾の強みは、精神面の成長にアリ」
ということです。¥29,000の価値があるとすれば、そこに隠されているハズ。
映像授業はかなり質が高いのですが、実はそれを活用できる生徒って、スゴく限られます。
授業中に寝てもスマホだから怒られないし、自分からスマホを開かないと授業が始まらないし、「明日にしよう」という言い訳も使い放題、分からない部分はスルーしても何も言われない…という状況ではあるので、自己コントロールできて意識の高い生徒しかフル活用できないのです。
個別指導塾が勝てる部分はまさにその部分で、
「生徒が自分の意志で努力する」
ところまでサポートできる部分だと思います。
個別指導塾にくる生徒は、本当に、
「やる気が出ません」
「目標はありません」
「塾に行きたくありません」
「将来はニートかも(笑)」
「(何を聞いても)…(無言)」
とか言う生徒は多いです。「ドキ!うちの子だ…」と思った保護者の方がいるかもしれません。
そんな生徒は、担当の先生に励まされたり相談に乗ってもらったり、考えていることを聞いてもらったり。または教室の責任者に呼び出されて喝をいれられたり…ということを繰り返し、徐々に活力をとりもどしていきます。
そういう過程を経ない限り、前向きな人間性に変わらなかったりするので、そこの部分は個別指導塾としてこだわって指導していかないと、と思っています。
映像授業は勉強を効率よく教えますが、個別指導塾の先生は、勉強以外の部分で大きな役割を背負っているのだと思います。
- 映像授業の先生…勉強だけを効率よく。
- 個別指導塾の先生…勉強以外にも、心が変わるキッカケを与える
という違いがあると思っています。
個別指導塾は、勉強だけの場所ではなくなりつつある
…というわけで、映像授業で十分なテスト対策ができるこの時代、個別指導塾も変わっていかないといけません。
それは上に書いたように、生徒のメンタル面を重視した指導をしていくということ。
もちろん勉強面でも、小テストがあったり進捗を管理してくれたり、居残り勉強させてもらえたり…と、個別指導塾が優れている部分もあります。
でもやっぱり、それだけでは今後、映像授業よりも素晴らしい塾として君臨することはできないと思っています。
もし、
「勉強のやる気や、習慣はすでに持っている」
という方がいたら、個別指導塾なんかよりも、スタディサプリなどの映像授業をオススメします。
一方、
「心の面からアプローチしないと、成績どころじゃないかも」
「勉強にとりくむ姿勢から作っていって欲しい」
と願っている方がいれば、個別指導塾は力になれるかもしれません。
なので、ぜひ個別指導塾を選ぶ際は、
「やる気がでない生徒さんは、いないんですか?」
とか、
「うちの子、前向きに勉強するようになりますかね〜?」
なんてことを、さり気なく教室長に入塾前の面談などで聞いてみるといいかもしれません。
こんな質問があって、
「うーん、まぁ大丈夫でしょう」
みたいなテキトーな答えしかできないようだと、将来は映像授業に負けてしまうと私は見ています。
ということで、高倉塾も充実した指導を続けるため、早速ですが先生たちとのミーティングを計画しようかな…と思っています。