個別指導塾をやってきて「それは違います」と大声で否定したい主張の一つは、
「塾で勉強を教えてもらったら成績が上がる」
という考え。
もちろん成績を上げることが塾の仕事ですが、勉強を教えたからと言って成績は上がらないんですよね…。
だいたい3割くらいの生徒は、勉強を教えれば成績が上がります。でも7割くらいの生徒は、勉強だけを教えても成績が上がりません。
- 3割の生徒…個別指導塾で勉強を教わるだけで成績が上がる
- 7割の生徒…個別指導塾で勉強を教わっても、このままでは成績は上がらない
勉強だけを教えてもらっても成績が上がらない理由、または成績が上がる生徒と上がらない生徒の違いを以下で説明しますので、自分のお子様のタイプ分けの参考にしてください。
目次
伸びる生徒の発言と、このままでは伸びない生徒の発言
個別指導塾なので、成績が望ましくない生徒もたくさん入塾してきます。100点満点で30点とれればいい方だよ、という生徒は全く珍しくありません。
こういう生徒を何も考えずに、ただ勉強だけを塾で教えたとします。
すると必ず、
7割のあんまり伸びない生徒
と
3割のグングン伸びる生徒
に分かれます。
7割の伸びない生徒の特徴
こういう生徒の1番大きな特徴は、今までの成績の理由を聞くと、
「私は頭が悪いもん」「俺はアホやねん」
とか言うんですね。今まで成績が悪かったのは、「自分の頭が悪いから」だと思っています。
成績のよい友達を見ると、「あの子は頭がいい」とか「あの子は天才」という言葉を使います。
つまりその生徒にとっては、「成績が悪い人は頭が悪いから」であり、「成績がいい人は頭がいいから」なのです。
3割の伸びる生徒の特徴
伸びる生徒の大きな特徴は、今までの成績の理由を聞くと、
「今までサボってたんすよ」「どう勉強したらいいか分からなかったんで」
と言うわけです。今まで成績が悪かったのは、「サボっていたから、勉強方法を知らなかったから」だと思っています。
成績のよい友達を見ると、「あの子は塾に行っていつも頑張ってる」「◯◯ちゃんは集中力がある」という言葉を使います。
つまりその生徒にとっては、「成績が悪い人はサボってたり、勉強方法を知らないから」であり、「成績がいい人は頑張ってるから」なのです。
本人が持っている「才能」のイメージの違い?
この発言の違いは大注目で、その生徒の持っている世界観とか、根本的な価値観がよく現れていると感じます。
要するに、
「才能や学力は生まれ持ったもので、努力では変わらない」
という価値観と、
「才能や学力は自分で磨くもので、後から伸ばしていくもの」
という価値観の違いです。
「私はアホ、あの子は頭がいい」という生徒は「学力は生まれ持ったもの」だと思っているし、
「私はサボってた、あの子は努力している」という生徒は「学力は自分で伸ばすもの」だと思っています。
これは学力を伸ばすには致命的な違いで、同じ10時間を勉強するにしても、「学力は持って生まれたもので、あまり変わらない」と考えている場合と「学力は努力して磨くもの」と考えている場合とでは、天と地、月とスッポンの違いが出てしまいます。
前者の場合は、100時間勉強してもあまり成績は変わりません。
「よし、賢くなってやろう」という気持ちがないからです。
大人の日頃の声掛けで決まるのでは?
「じゃあ、この考え方の違いはどこから来るの?」という疑問についてですが、おそらく大人が日頃からその子にどんな声掛けをしているか、ではないでしょうか。
例えばテストでいい点数を取った時、「素晴らしい、やっぱり才能があるんだ」とか「お前は頭がいいんだ」みたいなことを言ってしまうと、「いい点数を取れたのは私の頭がいいから」と思ってしまう可能性があります。
そうなると、少し難しくなって今までより低い点数を取った時、「やっぱり才能がなかったんだ」「実は頭はアホなんだ」と考えてしまうかもしれません。
反対にいい点数を取った時、「すごい、頑張ってたもんね!」「いつも努力してたことが凄い!」という、【過程】に着目した声掛けをすることで、「結果より、努力すること自体が大切…」という価値観を創り出すことができるかもしれません。
価値観を変えることが個別指導塾の大切な役割
「7割の伸びにくい生徒」と「3割の伸びる生徒」の違いを説明しましたが、「じゃあ7割の伸びにくい生徒はどうするんだ」という疑問が湧いてきます。
それに関してですが…、まず個別指導塾の役割として「勉強や、勉強方法を教えること」よりも第一に「勉強はすればするほど頭がよくなる」「努力することで脳は育っていく」というような価値観に変えてあげることが重要だと考えています。
学習塾の運営ですから「勉強を分かりやすく教えること」に重点を置きがちになってしまいますが、「気持ち・価値観の面のサポート」から入らないと生徒のためにならないんだな、と考える日々です。
だからこそ、個別指導塾は教え方やシステムよりも、「どんな先生が、毎回の授業でどんな声掛けをしてくれるのか」の方が大切です。高倉塾の先生たちにもより一層、徹底して考えてもらわないと…と思いました。
以上で「勉強しても成績が伸びないのはなぜか?「頭はよくなるもの」という考えを持たないまま勉強しても成績は上がりません。」という話を終わります。
勉強方法としては、やっぱり繰り返し学習が1番効果があります。
中高生が問題集を繰り返すことの重要性について。「2」が「4」になって進路がめちゃくちゃ変わります。
プリントにすることが、1番効果が出ますね。
成績が悪い中学生・高校生の勉強法はプリント学習法で決まり。問題集・参考書をそのまま解くよりも、一度プリントにした方が成績は上がります。
教材選びは、以下を参考にしてください。